副葬品はメロンで。
火葬場で働く僕の日常
下駄華尾、著
わたしは死んだあと、火葬場で遺体を焼いてもらう。
その時の副葬品として、ぜひメロンを一玉入れてほしい。あとは適当な花を。明るい色の花や、グリーンなんかを。安物で結構。
棺桶に入れられて火葬されたあと、メロンが入っていると火葬場のバックヤードの良い香りが漂うのだそう。
熱さと臭気の中、私の最後の始末をしてくれる火葬場職員の方々に、良い人生をくれたこの日本に、良い香りを残して逝くなんて、素敵じゃないか。
棺桶は質素に。私物はすべて焼いて廃棄して欲しい。まぁ売ってお金になるものだけ売って、国境なき医師団へお金を寄付してほしい。
わたしから、なにひとつこの世に残したいものなんてない。ていうか残す価値のあるもの持ってないだけ。笑